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◆伊藤 孝司◆

 米軍が広島と長崎に投下した原子爆弾の、その光と熱で焼かれたのは日本人だけではなかった。日本によって強制連行された朝鮮人たちも、広島で5万人、長崎で2万人が被爆したと推定されている。また、数は少ないものの中国人、連合軍捕虜、帰郷中の日系米国人なども被爆した。
  被爆した朝鮮人たちの中には、差別され救急手当てが受けられなかった人もいたという。また、死体処理に駆り出され、多量の放射能を浴びた朝鮮人「日本兵」もいた。
日本の敗戦によって、生き残った韓国、朝鮮人被爆者のうちの約2万3000人は、解放された祖国へ帰っていった。日本には広島に5000人、長崎に2000人が残った。
韓国に帰国した被爆者たちは、専門知識のない韓国の病院では、被爆者としての治療は受けられなかった。健康がすぐれないために仕事にも制約があり、医療費が大きな負担となった。現在でも韓国人被爆者の約半数が生活に困っているという。
日本政府は、韓国に「被爆者センター」を建設しようとしているが、被爆者一人ひとりへの補償は拒否している。貧困と病の中で、韓国人被爆者たちは次々と亡くなりつつある。

プロフィール  
1952年生まれ。日本写真家協会会員。
デザイナー芸術学院 写真科報道写真講師。
<著書>

「原爆棄民ー韓国・朝鮮人被爆者の証言」(1987年ほるぷ出版)、
「生きている長良川ー清流が織り成す自然賛歌」(講談社)
「証言 従軍慰安婦・女子勤労挺身隊ー強制連行された朝鮮人女性たち」
(1992年、風媒社)、
「破られた皇軍ー朝鮮・台湾の軍人・軍属たち」(1995年、影書房)、
「日本花嫁の戦後ー慶州ナザレ園からの証言」 (1995年、LYU企画)
「アジアの戦争被害者たちー証言・日本の侵略」(1997年、草の根出版会)など


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